Mitsuru Ceramic Studio 和 やきもの教室 伊藤満先生

先生が陶芸を始められたきっかけはなんですか?

Mitsuru Ceramic Studio 和(Nagomu)

子供のときから土遊びが好きだった。当時は生活の中でまだ七輪を使っていて、火を炊いては土でつくった器を焼いて遊んでいたね。社会人になって就職した鳴海製陶で、実際に生産現場を見て益々やきものに興味が深まりました。転職して教員になってから、岐阜の道三窯の陶芸教室に通い自分の作品作りをはじめ、実際に自分で見たり触ったりしているうちに、どんどん陶芸の世界に引き込まれていったんです。

ずっと続けてこられた理由は?

様々な先生方と出会い、いろんな窯元で学んでいくのが楽しかった。中でも多治見の成宝園の成瀬教造先生には本当にお世話になったよ。
勤務していた高校で、卒業する生徒達全員のために作品をつくって贈るようになって、それが恒例となって毎年つくり続けるようになったら辞められなくなって(笑)。今年の生徒はなし、ではかわいそうだからね。

Mitsuru Ceramic Studio 和(Nagomu)

生徒全員分って相当大変だったのでは?

そりゃあ、大変大変(笑)。1学年700人くらいいたときもあったね。最初のころはいろいろ失敗したよ。大きさや出来栄えに差があるのはもちろん、卒業式に間に合わなかったことも1回だけあって、後で担任の先生に配ってもらうようお願いしたなあ。あれ、ちゃんと全員に渡ったかなあ。
当時は自分の窯もなくて車も持っていなかったから、自宅の小屋でろくろを回しては、それをJRで窯元まで運んで焼かせてもらったり、自転車に積んでいたら転んで割れてしまったこともあったよ。時には仕事の後に窯元に通い、夜中も1人で作業していたから、自分は一体なにをやっているんだろう・・・と思ったり、本職じゃないから辞めようと思ったこともあったけど、生徒が楽しみにしてくれていたから頑張ってつくったね。おかげで本当にいろいろ勉強させてもらったよ。

Mitsuru Ceramic Studio 和(Nagomu)

念願の工房を構え、教室をはじめられたときの気持ちは?

退職してから工房をかまえて今年で6年め。
ずっと自分でつくれる場所が欲しかった。
居心地がいいね。

先生のやきもの教室はどんな雰囲気ですか?

大人だけでなく子供もいるよ。
親子で通ったり、友達同士で通ったり、黙々と作業に没頭する人もいれば、ずっとおしゃべりしている人もいる。
みんな自分のペースでやっているけど、自分の手の感覚でものをつくっていくのはストレス解消にもなるみたいでね。土に触ると気持ちいがいいと言われることが多いよ。

どのような作品が作れるようになりますか?

Mitsuru Ceramic Studio 和(Nagomu)

基本的にはつくりたいものを作る。お皿、小鉢、湯のみ、茶碗、ビアジョッキ、傘たて、雛人形や干支の置物、大抵のものは作れるようになるよ。作りだすための技術は伝えるし、時には手伝うこともあるけれど、職人になるのではないので決まったことをやる必要はない。何を作ろうか、どうやって作ろうか、自分で考えながらやってみる、それが面白いと思うよ。

先生の得意なものは?

う~ん、何でも作ることが好きだから。犬の置物はよく頼まれて作ることが多いかなあ。
愛犬の写真を持ってきて、この子を作ってくださいって言われて作ることもあるね。特別な思いがあって依頼されたものだから、表情とか雰囲気とか一生懸命試行錯誤しながらつくるね。
ここにあるコリーとか、ミニチュアダックスとか、やっぱり自分で作った犬はかわいいね。

Mitsuru Ceramic Studio 和(Nagomu)

やきものの醍醐味は?

僕は人がやってないものをやってみたいし、常に新しいものを作りだしたいと思っているんだけど、創造の世界は難しいし、大変。いろいろ悩まないかんからね。
でもやきものを通して人が育つこと、新しいものを見出していくことがとても楽しい。これだけ続けてこれたのは、そういう楽しみがあるからじゃないかな。やっぱり続かないと本当の面白さは分からないからね。

先生の夢は?

この工房の空いてる部屋に、自宅にある陶磁器の書物を持ってきたり、奥さんが調和道という呼吸による健康法をやっているので、それを一緒にここで教えたり、人が集う和みの場にしたいねえ。だからここの名前も“和(なごむ)”なの。
それから、まだまだ土で楽しみたい。
やきもの教室では、陶芸のおもしろさを見つけてもらうことの手助けができればと思うし、それを通して育ってもらいたい、というのが願いです。

これから陶芸を習ってみたいと思っている人、興味を持っている人にメッセージを。

Mitsuru Ceramic Studio 和(Nagomu)

陶芸は子供から大人まで誰でも楽しめます。
まずは土に触ってみる。そこから土の面白さをみつけ、形にしていく。
精神が統一され、次第に活力が沸いてきます。
自分の世界に没頭してつくるもよし、お茶を飲みにくる感覚でおしゃべりしながら作るもよし。それぞれのペースで楽しんでください。
自然の土に触ることは仕事のストレス解消や気分転換にもなるので、気軽にはじめてみてください。
自分で作ったカップで飲むコーヒーは格別ですよ。

インタビューを終えて

伊藤先生は本当に穏やかで優しい先生です。
先生の工房に一歩足を踏み入れると、ゆったり静かな時間が流れていて先生とおしゃべりしているだけでホッとします。
ストレスがたまって、最近ココロにゆとりがないなぁ・・・と感じている方!オススメです。

■生徒さんの作品1■
お馴染みシーサーです。

■生徒さんの作品2■
秋刀魚とビールで一杯♪

■生徒さんの作品3■
アイビーが素敵でしょ!

■生徒さんの作品4■
朝のエスプレッソはこれで

■先生の作品1■
ひょうたんの置物

■先生の作品2■
夏が楽しみ!ビアジョッキ

■先生の作品3■
食卓を豊かにウェディングセット

■先生の作品4■
癒されます。犬の置物。

■先生の作品5■
活力ある1年でありますように。